十干とは、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸という十個の文字からなる順列の総称です。 十干の起源は、中国の殷(紀元前十四~十五世紀)の時代にまで遡るとされています。この時代、盛んに行われていた十日を一旬とする占い『卜旬』において、十日ごとに循環する日にちを表す『数詞』として用いられていたとされます。
現代風にいうなら、10日間を一区切りにして、その中の一日いちにちに名前を割り付けたという感じです。十日を一区切りとする言い表し方は、ひと月を10日ごとに分けて、『上旬』『中旬』『下旬』と表現する言い方として現在にも残っています。 現代では、十干は十干単体で使われることはなく、『十二支』も含めた『陰陽五行思想』として統合され、暦の表記方法などに用いられています。 以前には、学業の成績表(通信簿)では、成績が優れている方から、甲・乙・丙・丁などと呼ばれました。徴兵検査では、甲種合格とか乙種合格などとランク分けされました。現在でも、焼酎には甲類・乙類があるのは、この名残なのでしょうか。